確定申告を忘れたらどうなる?
確定申告を忘れた、または期限に間に合わなかった。気づいた瞬間は焦ります。
ですが、放置するのが一番まずい選択です。気づいた時点で早く動くほど、ペナルティは軽くなります。
この記事では、確定申告を忘れたときに何が起こるかを整理し、今からやるべきことまで具体的に見ていきます。
01忘れたら「期限後申告」をする
まず、やることはシンプルです。
期限を過ぎてから提出する確定申告を「期限後申告」といいます。忘れていたことに気づいたら、できるだけ早く期限後申告をします。
期限後申告で納める税金は、申告書を提出した日が納期限です。つまり、出したその日に納めます。本来の税金(本税)に加えて、状況に応じて無申告加算税と延滞税がかかります。
02無申告加算税の仕組み
1つめのペナルティが、無申告加算税です。申告しなかったことに対する上乗せです。
率は、いつ申告したかで大きく変わります(令和5年分以降)。
- 税務署の調査の通知が来る前に、自主的に期限後申告:本税の5%
- 調査の通知後〜調査前に申告:本税のうち50万円までは10%、50万円超300万円までは15%、300万円超は25%
- 調査を受けた後に申告・税務署の決定:50万円までは15%、50万円超300万円までは20%、300万円超は30%
つまり、税務署に指摘される前に自分から申告するかどうかで、率がまるで違います。
031か月以内+要件を満たせば加算税は不要
ここが救いになります。
次の要件をすべて満たせば、無申告加算税はかかりません。
- 法定申告期限から1か月以内に、自主的に期限後申告をしている
- 納める税金の全額を法定納期限までに納めている
- 過去5年間に無申告加算税や重加算税を課されていない
04延滞税は遅れた日数だけ増える
2つめが延滞税です。納付が遅れた期間に対する利息のようなものです。
延滞税は本税にのみかかり、加算税にはかかりません。率は2段階で、納期限の翌日から2か月までは低く、それ以降は高くなります。率は毎年変わり、たとえば令和7年は2か月までが年2.4%、それ以降が年8.7%でした。最新の率は国税庁で確認します。
計算は「本税 × 率 × 日数 ÷ 365」です。遅れるほど積み上がるので、早く納めるほど負担は軽くなります。
05青色申告の65万円控除が10万円に減る
見落としがちですが、これが一番痛い場合があります。
青色申告で最大65万円の特別控除を受けるには、期限内の申告が条件です。期限後申告になると、その年の青色申告特別控除は最高10万円に下がります。青色の承認そのものは残りますが、その年の控除が大きく減ります。
控除が減れば課税所得が増え、本税も増えます。さらに住民税や国民健康保険料にも連動するため、加算税や延滞税より大きなダメージになることもあります。青色控除の中身は 青色申告のメリット|65万円控除とは にまとめています。
06放置すると重加算税や差押えも
悪質と判断されると、さらに重くなります。
申告すべきと分かっていながら隠していたなど、悪質なケースでは、無申告加算税に代えて重加算税(40%)が課されることがあります。さらに、国税を滞納したまま放置すると、財産の差押えなどの対象になることもあります。
放置にメリットはありません。
07今からやること
最後に、具体的な手順です。
- 1年分の売上と経費を集計する
- 会計ソフトや国税庁の確定申告書等作成コーナーで申告書を作る
- できるだけ早く期限後申告として提出する
- 本税・加算税・延滞税を納付する
期限後申告のやり方そのものは、通常の確定申告と同じです。流れは 確定申告のやり方|個人事業主の基本 で解説しています。
よくある質問
確定申告を忘れたら必ずペナルティがかかりますか?
法定申告期限から1か月以内に自主的に申告し、全額を法定納期限までに納めるなど一定の要件を満たせば、無申告加算税はかからない場合があります。ただし、納付が遅れた期間分の延滞税はかかります。
自分から申告するのと、指摘されるのとでは違いますか?
大きく違います。税務署の調査の通知前に自主的に申告すれば無申告加算税は5%ですが、調査後だと10〜30%に上がります。指摘される前に動くほど負担は軽くなります。
期限後申告でも青色申告のままですか?
青色の承認自体は残りますが、その年の青色申告特別控除は最高10万円に下がります。最大65万円の控除は期限内申告が条件のためです。
何年も申告していない場合はどうなりますか?
過去の年分についても期限後申告が必要です。放置すると延滞税が積み上がり、悪質と判断されれば重加算税(40%)や財産の差押えの対象になることもあります。早めに税務署や税理士に相談しましょう。
期限後申告のやり方は通常の確定申告と違いますか?
申告書の作り方や提出方法は通常の確定申告と同じです。違うのは、提出日が納期限になる点と、加算税・延滞税が上乗せされる点です。
まとめ
確定申告を忘れたら、まず期限後申告をします。ペナルティは、税務署に指摘される前に自分から申告するほど軽くなり、1か月以内+一定の要件を満たせば無申告加算税がかからないこともあります。
見落としがちなのが、青色申告特別控除が最大65万円から10万円に下がる点です。加算税や延滞税だけでなく、この控除減のダメージも大きいことがあります。放置にメリットはありません。気づいたら、できるだけ早く動きましょう。
税務の最終的な判断は、国税庁の公式情報や、税務署・税理士への確認に従ってください。