インボイス登録の手順
インボイスを発行するには、「適格請求書発行事業者」として税務署に登録します。
手続き自体は難しくありません。ただし、免税事業者が登録する場合は、消費税の納税義務が生まれる点に注意が必要です。
この記事では、登録の手順を、申請方法・登録番号・登録日の順に整理します。登録すべきかの判断は インボイス登録すべきか判断する で解説しています。
01申請書を用意する
まず、提出する書類です。
「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出します。用紙は国税庁のサイトからダウンロードでき、e-Taxならオンラインで作成できます。
免税事業者が登録する場合は、原則として、この申請書だけで課税事業者になれます(経過措置による)。「消費税課税事業者選択届出書」を別途出す必要はありません。
02e-Taxか郵送で提出する
提出方法は2つあります。
- e-Tax:オンラインで申請。マイナンバーカードがあればスマホやパソコンから完結。処理が早い
- 郵送:管轄のインボイス登録センターへ送付。処理に時間がかかる
急ぐならe-Taxが有利です。登録には審査の時間がかかるため、余裕をもって申請します。
03登録番号が通知される
審査が終わると、登録番号が通知されます。
個人事業主の登録番号は「T+13桁の数字」です。この番号を請求書に記載することで、インボイス(適格請求書)として認められます。
登録した事業者の情報は、国税庁の「適格請求書発行事業者公表サイト」で公開されます。取引先は、ここで番号の有効性を確認できます。
04登録日と消費税の関係
ここが実務上のポイントです。
登録の効力は、登録日から発生します。免税事業者が登録した場合、その登録日から課税事業者になり、消費税の申告・納税義務が生まれます。
年の途中で登録した場合、その年は登録日から年末までの分について消費税を申告します。1年分すべてが対象になるわけではありません。消費税の申告義務は 消費税の納税義務はいつから発生する で解説しています。
05登録後にやること
登録したら、実務が変わります。
- 請求書に登録番号・適用税率・税率ごとの消費税額を記載する(インボイス対応の請求書の書き方)
- 発行したインボイスの写しを保存する
- 帳簿と請求書を保存する
- 消費税の確定申告をする(所得税とは別に、原則3月31日まで)
負担軽減として、2割特例(個人は令和8年分の申告まで)や、新設された3割特例(個人の令和9年分・令和10年分)が使えます。事前の届出は不要で、申告時に選べます。詳しくは 2割特例とは|インボイスの負担軽減 で解説しています。
06登録をやめるとき
登録は、やめることもできます。
「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」を提出します。取りやめの効力が生じる時期には決まりがあるため、原則として、やめたい課税期間の初日から起算して15日前の日までに提出します。
ただし、登録を取り消しても、課税事業者としての義務が残る場合があります(2年間の縛りなど)。取りやめを検討するときは、税務署や税理士に確認しましょう。
よくある質問
インボイスの登録はどうやってしますか?
「適格請求書発行事業者の登録申請書」を、e-Taxまたは郵送で提出します。e-Taxならマイナンバーカードを使ってオンラインで完結でき、処理も早く進みます。
免税事業者が登録するには課税事業者選択届も必要ですか?
原則として不要です。経過措置により、登録申請書の提出だけで、登録日から課税事業者になれます。別途「消費税課税事業者選択届出書」を出す必要はありません。
登録番号はどんな番号ですか?
個人事業主の場合、「T+13桁の数字」です。この番号を請求書に記載することで、インボイスとして認められます。登録事業者の情報は国税庁の公表サイトで確認できます。
年の途中で登録したら、1年分の消費税がかかりますか?
かかりません。登録日から課税事業者になるため、その年は登録日から年末までの売上が消費税の対象です。1年分すべてが対象になるわけではありません。
登録をやめることはできますか?
できます。「登録の取消しを求める旨の届出書」を提出します。原則として、やめたい課税期間の初日から起算して15日前の日までの提出が必要です。ただし課税事業者としての義務が残る場合があるため、事前に確認しましょう。
まとめ
インボイスの登録は、「適格請求書発行事業者の登録申請書」をe-Taxまたは郵送で提出します。免税事業者でも、この申請書だけで登録日から課税事業者になれます。
登録番号(T+13桁)が通知されたら、請求書に記載してインボイスを発行します。年の途中で登録した場合、その年は登録日以降の売上が消費税の対象です。負担軽減の2割特例・3割特例は事前の届出が不要で、申告時に選べます。
税務の最終的な判断は、国税庁の公式情報や、税務署・税理士への確認に従ってください。