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開業届を出さないとどうなる?

公開 2026.06.28更新 2026.06.28

「開業届って、出さないとどうなるんだろう」。事業を始めた人が、一度は気になるところです。

結論から言います。開業届の提出は義務ですが、出さなくても罰則はありません。ただし、出さないことで損をする場面はあります。

この記事では、開業届を出さないと実際に何が起きるのか、罰則とデメリットを分けて、正直に整理します。

01開業届は「義務だが罰則なし」を正しく理解する

最初に、立てつけを正確に押さえます。

開業届は、所得税法によって提出が義務づけられています。一方で、出さなかった場合や遅れた場合の罰則は、法律に定められていません。つまり、義務ではあるけれど、出さなくても罰則はないという状態です。

「罰則がないなら出さなくていい」と考えると、後で損をします。理由は次のステップで見ていきます。

02開業届と確定申告は別物だと知る

ここを混同すると、不安の方向を間違えます。

開業届を出すかどうかと、確定申告をするかどうかは、別の話です。

  • 開業届:事業を始めたことを知らせる届出。出さなくても罰則なし
  • 確定申告:1年間の所得を申告して納税する手続き。一定以上の所得があれば必須

つまり、開業届を出していなくても、事業で一定以上の所得があれば確定申告は必要です。「開業届を出さない」と「確定申告をしない」は別物で、確定申告を怠れば、無申告として加算税などの対象になります。開業届の有無は、ここには関係しません。

03青色申告が使えないことを理解する

開業届を出さない最大のデメリットが、これです。

青色申告には、最大65万円の特別控除や、赤字の繰り越しといった利点があります。この青色申告を使うには、前提として事業の届出が必要です。開業届を出していないと、実務上、青色申告のスタートラインに立てません。

その結果、本来受けられたはずの控除を逃します。所得が大きくなるほど、この差は税額に直接ひびきます。

あわせて読みたい:青色申告のメリット|65万円控除とは青色申告と白色申告の違い

04屋号で口座が作れないことを知る

お金まわりにも影響します。

屋号付きの銀行口座を作るとき、銀行は「屋号で事業を営んでいる証明」を求めます。その代表が、開業届の控えです。開業届を出していないと、この証明が用意できず、屋号付き口座を作りにくくなります。

事業用の口座があると、お金の管理がしやすく、取引先からの見え方も変わります。開業届を出していないと、この入口でつまずきます。

あわせて読みたい:屋号で銀行口座を作る方法

05その他の不利な場面を知る

控除や口座のほかにも、開業届がないと不利になる場面があります。

  • 小規模企業共済に加入しにくい:個人事業主向けの退職金・節税制度で、事業の確認書類が必要になります
  • 融資や補助金で不利になることがある:事業の実態を示す書類として、開業届の控えを求められる場合があります
  • 「事業として営んでいる」と示しにくい:副業を事業所得として扱いたいとき、開業届はその姿勢を示す材料の一つになります

一つひとつは小さく見えますが、事業を続けるほど、こうした場面は増えていきます。

06結局どうすればいいかを決める

ここまでをふまえると、答えはシンプルです。

継続して事業として仕事を受けるなら、開業届は出しておくのが得です。罰則がないからこそ忘れがちですが、出さないと受けられない利点のほうが大きいからです。

提出の期限は、開業した日が属する年分の確定申告期限までです。難しい手続きではありません。青色申告を使うなら、青色申告承認申請書と一緒に出しておくと、二度手間になりません。

あわせて読みたい:開業届の出し方|書き方と提出方法開業届はいつ出す?提出のタイミング

よくある質問

開業届を出さないと罰則はありますか?

罰則はありません。開業届の提出は所得税法で義務づけられていますが、出さなかった場合や期限を過ぎた場合の罰則規定はありません。ただし、青色申告が使えないなど、出さないことによるデメリットはあります。

開業届を出していなくても確定申告は必要ですか?

必要です。開業届の有無と、確定申告の要否は別の話です。事業で一定以上の所得があれば、開業届を出していなくても確定申告をしなければなりません。確定申告を怠ると、無申告として加算税などの対象になります。

副業でも開業届を出さないと損ですか?

副業の所得が「事業所得」にあたるなら、開業届を出して青色申告を使える状態にしておくと有利です。一方で、副業が「雑所得」として扱われる場合は、開業届の対象にならないこともあります。継続性や規模で判断が変わります。

後からさかのぼって開業届を出せますか?

提出できます。開業届に罰則はないため、遅れて出しても問題ありません。ただし、青色申告承認申請書には期限があるため、青色申告を初年度から使いたい場合は、提出のタイミングに注意が必要です。

まとめ

開業届を出さなくても、罰則はありません。ですが、青色申告が使えない、屋号で口座が作れない、共済や融資で不利になるなど、出さないことによる損は確実にあります。

混同しやすいのが、確定申告との関係です。開業届を出していなくても、一定以上の所得があれば確定申告は必要です。罰則を心配するなら、開業届よりも確定申告のほうを気にすべきです。

継続して仕事を受けるなら、開業届は出しておくのが得策です。出さない理由が「罰則がないから」だけなら、受けられる利点を逃しているだけかもしれません。

税務の最終的な判断は、国税庁の公式情報や、税務署・税理士への確認に従ってください。

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