iDeCoで節税|個人事業主の掛金上限
老後資金を自分で準備しながら、今の税金も減らせる。それがiDeCo(個人型確定拠出年金)です。
会社員より公的年金が手薄になりがちな個人事業主にとって、iDeCoは特に相性のよい制度です。
この記事では、iDeCoによる節税を、個人事業主の掛金上限・税制メリット・注意点の順に整理します。
01iDeCoとは
まず、制度の中身を押さえます。
iDeCoは、自分で掛金を積み立てて運用し、原則60歳以降に年金または一時金として受け取る私的年金制度です。掛金の額や運用商品は、自分で決めます。
公的年金に上乗せする「自分でつくる年金」であり、税制の優遇が大きいのが特徴です。
02個人事業主の掛金上限
個人事業主にとって、うれしいのが上限額です。
個人事業主(国民年金の第1号被保険者)の掛金上限は、月額6万8,000円、年間で81万6,000円です。会社員より大きな枠が用意されています。ただし、国民年金基金や付加保険料と合わせての上限になります。
なお、この上限は制度改正で見直される場合があります。最新の金額はiDeCo公式サイトなどで確認してください。
033つの税制メリット
iDeCoの節税効果は、3段階で効きます。
- 掛金が全額所得控除:掛金の全額が小規模企業共済等掛金控除になり、所得税・住民税が軽くなる
- 運用の利益が非課税:通常は約20%かかる運用益への税金がかからない
- 受け取るときも優遇:一時金は退職所得控除、年金は公的年金等控除の対象
「積むとき・増やすとき・受け取るとき」の3つで優遇される点が、iDeCoの強みです。
04掛金は所得控除で申告する
節税の受け方を押さえます。
iDeCoの掛金も、小規模企業共済と同じく、事業の経費ではなく「所得控除」です。事業とは別に、自分の所得から差し引きます。
確定申告のときに、国民年金基金連合会から届く「小規模企業共済等掛金払込証明書」を使って申告します。確定申告の流れは 確定申告のやり方|個人事業主の基本 で解説しています。
05最大のデメリットは「引き出せない」
メリットの大きい制度ですが、重要な注意点があります。
iDeCoは、原則として60歳まで引き出せません。老後資金づくりのための制度なので、途中で自由に使うことはできません。
そのため、当面使う予定のあるお金を入れるのには向きません。生活に必要な資金や、近い将来の事業資金は手元に残し、余裕資金で行うのが基本です。
06小規模企業共済との使い分け
iDeCoと似た制度に、小規模企業共済があります。両方使えます。
- iDeCo:自分で運用する。老後資金づくり。原則60歳まで引き出せない
- 小規模企業共済:退職金制度。廃業・退職時に受け取る(小規模企業共済とは|節税と退職金)
どちらも掛金が全額所得控除になり、併用できます。資金に余裕があれば、両方を活用すると所得控除を大きくできます。節税全体の考え方は 節税のためにやるべきこと にまとめています。国民年金の仕組みは 国民年金の手続きと免除制度 で解説しています。
よくある質問
個人事業主のiDeCoの掛金上限はいくらですか?
月額6万8,000円、年間81万6,000円です。会社員より大きな枠がありますが、国民年金基金や付加保険料と合わせての上限になります。上限は制度改正で見直される場合があるため、最新の金額を確認しましょう。
iDeCoの掛金は経費になりますか?
事業の経費にはできません。小規模企業共済と同じく「所得控除」として扱います。確定申告で、国民年金基金連合会から届く払込証明書を使って、小規模企業共済等掛金控除として申告します。
iDeCoの節税効果はどのくらいですか?
掛金が全額所得控除になるうえ、運用の利益も非課税、受け取り時も控除の対象と、3段階で優遇されます。掛金の分だけ所得税・住民税が軽くなるため、所得が高い人ほど効果が大きくなります。
途中で引き出せますか?
原則として60歳まで引き出せません。老後資金づくりのための制度のためです。当面使う予定のあるお金には向かないため、生活資金や近い将来の事業資金は手元に残し、余裕資金で行いましょう。
小規模企業共済とどちらがいいですか?
目的が異なり、併用もできます。iDeCoは自分で運用する老後資金づくり、小規模企業共済は廃業・退職時に受け取る退職金制度です。どちらも掛金が全額所得控除になるため、余裕があれば両方使うと節税効果が大きくなります。
まとめ
iDeCoは、老後資金を積み立てながら節税できる私的年金制度です。個人事業主の掛金上限は月6万8,000円・年81万6,000円で、掛金が全額所得控除になります。さらに運用益が非課税、受け取り時も優遇と、3段階で税制メリットがあります。
一方で、原則60歳まで引き出せない点が最大の注意点です。当面使う資金は入れず、余裕資金で行うのが基本です。小規模企業共済と併用すれば所得控除をさらに大きくできます。掛金は経費ではなく所得控除である点に注意して活用しましょう。
税務の最終的な判断は、国税庁の公式情報や、税務署・税理士への確認に従ってください。